モード家の一夜

2011.08.02

そろそろ映画が観たくて上映中の映画を調べたりしたけれど、残念ながら
今の気分に合う映画がない。なので自宅のDVDを観る事に。
久しぶりのロメール「モード家の一夜」この映画を観たのは何年前になるのか。
レンタルもDVDが主流ではなく、まだレンタルビデオで UXプラザが天神にあって、
レンタル屋にほぼ毎日入り浸っていた日々。15年以上前に観た映画なのでなんとなく
しか内容が思い出せない。しかしとても好きな内容で、白黒だけど美しい映画な記憶。
ロメールの撮る映画は「光」が美しい。
この映画がカラーではなくなぜ白黒で撮られたか。経済的な理由ではなく純粋に美学的な
理由によるものだったようです。ロメールの求めていた峻厳な味わい、そこには色彩もなく、
余計な視覚的細部も排除された。衣装は白と黒と灰色で統一され、ベットカバーは
白い毛皮、ランプや薔薇も白。
「非常に美しいグレーのカラーをもつ都市(クレルモン=フェラン)を撮りたかった。
そのグレーは黒に近い。この映画に私が欲していた厳格な側面を与えるためには、
私が意のままに使える手段で撮る方がたやすいと考えたのです。つまり白黒で撮る
と言う事です」撮影は自然光を重視するネストル・アルメンドロス。モノトーンで
統一する事により、白黒ならではの美しい「光」が観れる。

六つの教訓物語の第三話となるこの物語。内向的な男の運命的な恋のなりゆき。
クリスマスが近い日、主人公(ジャン=ルイ・トランティニャン)はミサで金髪の女性
フランソワーズを見かけ、彼女が自分の妻になると直感する。その後主人公は旧友の
ヴィダルと再会し、その友人の女性モードと出会う。美しい黒髪を持つ奔放な無神論者
のモード。モードは離婚経験もある美しい女医。パスカルの哲学、キリスト教など
3人の会話は弾む。夜は更けヴェルダは帰ったが、主人公はそのまま泊まる事に。
翌朝、町でみかけたフランソワーズに声をかける。
車で彼女をアパートまで送るが雪道で車が動かなくなり、そのままアパートの
別々の部屋で一夜を過ごす。彼女は妻子ある男との関係が忘れられずにいたのだが
すべてを認めたうえで(主人公)は心を打ち明ける。数年後、妻となったフランソワーズ
と子供をつれ避暑地の海岸でモードとの再会する。

ラストシーン、数年後の再会により思わぬ繋がりが発覚する。そしてわかった上で
気遣う主人公の嘘がすごく素敵だ。そして、その海がとても美しい。
やはり、この時代の映画はやっぱり素晴らしい。そして久しぶりに楽しみな映画の
上映がもうすぐ始まる。
「ふたりのヌーヴェルヴァーグ ゴダールとトリュフォー」
福岡ではKBCでの上映となるようです。
これは楽しみですね。映画館で大好きな、よこわけジャン=ピエール・レオが
観れると思うと、とてもとても楽しみです。

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