アデュー・フィリピーヌ

2010.01.21

心のバランスの取り方
映画を観たいと思った時がわたしのsosなのかもしれない。
年末に「脳内ニューヨーク」「アニエスの浜辺」を観にいった。
特に「アニエスの浜辺」ヴァルダの感性と想像力 知的好奇心と映像表現
人生の節目を過ごした いくつもの浜辺を舞台に 過去の作品の裏話など
そしてヌーベル・ヴァーグという言葉を口にするや否や「5時から7時までのクレオ」
のサイレント映画俳優として出演した時のアンナ・カリーナと若き日のゴダール
が登場し“永遠の青春”ヌーヴェル・ヴァーグの回想が始まるのだ。
その気分から抜けきれず久しぶりに「アデュー・フィリピーヌ」を観直してみた。
ジャック・ロジェ監督のこの映画 トリュフォーが「美しく呪われた映画だ」と絶賛。
しかし具体的に何が良かったかと聞かれると即答できない。男性1人と女性2人の
心の動き 物語が進むにつれ出てくる嫉妬心 そして無邪気としか言えない笑顔
最初は危うく寝てしまいそうだった気持ちが途中から目が離せなくなる。
それは物語のせいなのか、音楽のせいなのか、これこそがヌーヴェル・ヴァーグ
の魅力なのでしょう。そしてちらりと ミシェル・ピコリ ジャン=クロードブリアリ
が出演しているのも見逃せない。さわやかな風が吹き抜けるといった言葉が似合う
眩しい映画。そう笑顔が眩しいのです。そして真っすぐな心 素直さみたいな
まるで子供の笑顔を見たときのような気持ちになる。

もっと素直に生きていければいいのでしょうが歳を重ねるとそうもいかなくなって
いるようです。大声で泣く事もうまくできない。話がしたい相手とうまく話せなかったり
そして勝手に傷ついたり 大人とは?オトナとは?
アニエス・ヴァルダ “全ての死者の中で最も愛された死者、全てのバラの花をジャック
のために 泣きたい” ジャック・ドゥミを想い 語る。
80歳を越え こんなふうに語れる彼女はやはり素敵だ。

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